秘密のI love you

答えはいつだってステージにある

Three

歌舞伎のあとのダイアリーでも書いたのですが、ぜいのダンスの魅力、強みというのは3人がそろった時にこそ活きるもので。3人ともダンスは上手だし表現力はとても高いのだけど、タイプはバラバラだよね。それぞれに個性の強い3人だけど、3人で踊るときにだけ見せる色がある。3人のリズムが重なるとぴったりはまる感覚があって。本人たちもそのことをよくわかって、それを最大限に活かしたパフォーマンスを意識的にできるようになってるよね。
去年はまず彼らがつくるものが想定外に完成されすぎていて圧倒されてしまったのですが、2年目を終えてわかったことはいくつかあって。彼らが大事に思っているものとか、表現したいこととか、表現の仕方とか。そういうことをすこし書いておきたいなと。こういう分析をせずに純粋に公演を楽しんでいればいいんだろうなとは思うけど、おたくなのでw主に振付に関してですが。タイトルにあんまり意味はないかも








振付に関しては、今回は3人で分担していて、りょーたが曲数多いんだけど3人それぞれの特徴も少し見えたかな。



りょーたは今までもそうだけど、とにかくふりが細かい!音を細かく取って、そこにも動きがつくの!?みたいなことが多いんだけど決して無駄はなくって全部に意味がある。そして歌詞というか言葉に忠実でわりと直接的。歌詞の言葉をひろって振りに入れていくんだけど、りょーたの解釈の仕方が独特なとこがあるよね。特にすきだったのはラブユアの“花のように空に舞って”で、大切そうにてのひらに包んでた花が天に舞い上がっていく…みたいなのを全身で(かおも)表現するところ。あとは、ファイティングマンのサビで、えっそこ?ってタイミングで左手を下からにゅーって(他に表現がみつからない)伸ばす動きが入るんだけど、初回にえっこんな動き入る!?って意表つかれて以来ツボでツボで。みてたのははやしくんですけど、何の苦も無く踊りこなしてるからやっぱすごいなと思ったり。去年のオリブルもそんな感じだったなぁ。
音の取り方というか、時間と空間のとらえ方使い方、がすごいんだと思うけど。全員で同じ動きを同時にするっていうのは少ないんだよね。3人だったり7人だったりがそれぞれに違うタイミングで動くのに、それが重なると広がりが生まれる、新しい色ができる。そういう作り方ができるのはりょーたのすごいところ。


えださんは、曲全体にテーマがあると作りやすいタイプかな。猫中毒といいクルトンといい。だから見ててもわかりやすいし、一緒に踊れる感じだから嬉しいです。根っからのパフォーマーなんだなと思うのは、自分がそれを表現できることが大前提な気がする。自分でつくったものには愛があるからね!って言ってたけど。文章で書くのは得意だけど、ダンスにそれをのせるのはちょっと苦手かな。イメージをのせるって感じ。言葉に忠実タイプではないよね。ちょっと間接的なとこもあるかな。とはいえデドアラは結構直接的なとこもあったな…w



はやしくんは、元の曲の振付を活かしつつアレンジする感じ。言葉をひろうところもあるし本人が歌詞に忠実タイプだけど、ふりつけ全体でみるとメロディーとか曲の世界がもつイメージを表現するって感じかなぁ。りょーたほどではないけどふりはやっぱり細かい。小刻みというより動作のバリエーションが多いって感じかな?はやしくんのダンスのしなやかさがひきたつような動きが多いと思う。意識的にか無意識かわからないけど、メッセージは手の動きによく表れてる気がする。あとこれはわたしだけかもだけど、なんかパターンがあって。このメロディーでこう動いたら次はこうするよねっていうのがなんとなくわかる気がして一緒に踊りたくなる。いつも見てるからそう思うのかな。あと別の曲で使われてたふりを切り取ってもってくる、みたいなのもちょこちょこあるけどそれがちゃんとはまるのすごいと思う。そういうところ、演出とか全体のバランスをみて調整するって能力とも共通するのかなー。


3人とも共通するのは、曲がもともともつメッセージ性とか世界観を大事にしていて、そこに自分たちの表現を織り込むのが上手なんだなと。舞台でもそういうところがうまいなって思うんだけどね。比べるわけではないですが例えばやらさんは、おそらくメロディーや音から連想した世界観をどんっと作り上げるので、曲の歌詞とリンクはしていても直接繋がってないことがあるんですよね。えっそんな歌だっけ?ってそれが意外性になる。
もっといえばぜいは、自分たちの伝えたいメッセージ、表現したい世界はしっかりあって。それを表現できる曲を選びぬいているからこういう風に感じるのだと思う。そういうところ、ほんとまっすぐで素直で純粋なひとたちなんだなーと改めて感じました。1年目も2年目も“未来へ”“明日へ”“約束”そんな言葉をどれだけ重ねるんだろうってくらいにその想いは一貫してるよね。でもそのまっすぐさと重さは嬉しかったりする。


ところで3人とも、自分のソロコーナーで衣装を変えないのなんででしょうね。ほぼ自分たちで構成演出しているなら衣装も自由にできそうな気がするんだけど、そこまで気が回らないのか衣装替え増やしたくないのかあえてソロを突出させないようにしてるのか、なんだろう…3つ目の理由だったらぜいらしいなーと思うけど、せっかくなので衣装も合わせてくれたらいいのに!とは思います。振付けであれだけ世界観を出せるのだから、衣装も個性出していいんじゃないかなー。




それでも、やりたいことがたっくさんある中で、いま伝えたいことを何よりも大事にして作ってきたんだろうから。これからもっと公演を重ねて、いろんな演出がつけられるようになって、遊びの要素も入れられたらまた幅が広がるんだろうし。新しい顔を見せてくれた今年の公演だったけれど、もっともっといろんなかおを見たいなーって思ってます。