2020年5月23日
ほんとうだったら、この日は有楽町にいたはずだった
大好きな人たちの夢がかなう瞬間に立ち会えるはずだった
この3ヵ月、世界中のあらゆる公演が中止や延期を余儀なくされて、そのどれもに価値があったはずで、比べることはできないけどでもわたしにとっては、この日だけはどうにか公演ができる世界であってほしかった。
実際のところ難しいんだろうなというのはだいぶ前から覚悟をしていて、公演までのカウントダウン動画が出せなくなる少し前には正直諦めていたんだけど。実際にその日を迎えるとどうしていいのかわからないですね。考えたくなくて、でも開演時間前にはTLを何度もみて、少したってツイートしてくれたことにちょっと救われた気持ちになり、でも何も言わないことも間違いではないんだよなあとも思ったり。
これは妄想ですが、例え半年前にタイムリープしてどうにか世界を変えられたとしても、この日に国際フォーラムで公演ができてわたしがそれを見ることができたんだろうか、と考えてみて。もしかしたら何度タイムリープしても辿り着くのは同じ結果だったかもしれないなあなんて思ったりして。
この感染症が存在しない世界線があったとして、その世界でわたしは彼らに興味をもってなかったかもしれないし、その日にどうしても会場に辿り着けないかもしれないし、当日に何か自然災害が起こるかもしれないし、そもそも5月23日を迎えるまでわたしが確実にいきてるなんて何の保証もないわけです。
ライブや舞台の公演の開催が決まって、チケットを取ることができて、出演者やスタッフ・観客全員が無事にその日会場に到着できて、幕が上がり、降りること。それを何度も繰り返して、そのときの最高を更新していけること。それは全部当たり前ではなくて奇跡の積み重ねのようなものだということ。
・・・そんなこと知ってる。
だからこそ尊いのだということも知っている、わかっている、つもり。
当たり前が当たり前じゃないことなんて普通に生活していたって感じられるし、わたしは今まで応援してきたひとたちそれを教えてもらったし、これまでだって、ひとつひとつの公演に対してそういう想いをもって足を運んできたつもりです。だから日常のひとつひとつが大切で、後悔しないように日々を生きたいと思ってた。会えるときに会いに行くこと、伝えられる思いは伝えること。わたしにできることなんてそのくらいしかないから、できることはやってきたと思っているし、だからあのときああしておけばよかったっていう後悔は(おたくとしては)少ないです。タイムリープして変えたい過去なんてそんなにない。
過去への執着はあんまりない代わりに、見てみたい未来はたくさんあって。この国際フォーラムでのライブもその一つだったから、どうにか彼らの夢をかたちにしてほしかったしそこに立ち会いたかった。それだけなんです。
わたしは時々「このひと(たち)のことを信頼してる、信頼できる」っていう言い方をします。これはほんとうにそう思ったときにしか使わないけど、信頼っていうのは裏切らないと信じてるという意味ではなくて。今この瞬間を信じられるかどうか。そして今と少し先の未来をこの人に賭けてみてもいいと思えるか、なんです。その結果望んだのと違う形になっても構わない。そう思えるか、なんです。
そう思える瞬間はだいたいステージの上にしかなくて。ここ数年で印象的だったのはThey武道の単独クリエ初回の1曲目と、ソーホー・シンダーズの大千穐楽と、初めてCUBERSのライブを見たときの1曲目(PEOPLE GAME)です。
あの瞬間があったから、わたしはこのひとたちを見ていたいと強く思えたしこの人たちにかけてみたいと思ったの。それを上書きできるのが国フォなのかなって思ってた。
当日を過ぎてしまっていつまでも悔しいと言っていても仕方がないし、世界は進み続けているし、戦いはまだまだ終わりそうもないので前を向いてできることをするしかないのですが、その先に、もっと素晴らしいステージが彼らに用意されていることを信じています。だから今日までの悔しい気持ちはなかったことにしない。これがあったから辿り着けた!って笑える日がくるから、全部忘れないで、前だけ向いて生きていこう。ね。