秘密のI love you

答えはいつだってステージにある

巡る季節が始まりを告げるたびに

滝沢歌舞伎2014 in博多座
全35公演お疲れさまでした!


去年、博多座でやりますって決まったときから比重は博多>新橋だなって思ってて、でもここまでがんばるつもりではなかったんだけど。1ヶ月ほんっとうにたのしくってしあわせでした。いまもまだまだしあわせです。今年もこの舞台とともに春を迎えられてほんとうにうれしい。




去年の演舞のころのダイアリーとかツイログ見返すと、自分がほんとに楽しそうで。思い出すといまでもふわふわした気持ちになるし、世界でいちばんかっこいいのははやしくんでそんなはやしくんを応援できるわたしはしあわせ者だって、思ってて。でもいまはそれ以上にしあわせだなーって心から思える。それはやっぱりはやしくんのおかげ。





博多全公演の口上「全力で!」と宣言していたはやしくんは言葉通り、全力でこの舞台に向き合っていて。それがほんとうにうれしかったしかっこ良かったです。今までも、いつもぜんりょく、なひとだと思っていたけど。ときどきね、人間だから仕方ないけど、全力になれない瞬間もあったよね。見て見ぬふりをしたり、仕方ないよって言ってみたりしてたけどやっぱり悔しくて。もったいないよって、どうしたらいいんだろうって思って、感想のお手紙に祈る気持ちで書いたのは“いつも全力なはやしくんがすきです“。だからいつも全力でいてほしいって、伝わればいいなって。まぁ読んでるかしらないしそれだけで何が変わることもないだろうけど^^
冬のPZのころからかな、意識が変わったのかなって感じるようになって。ほんとにちゃんと、全力だなって思えるようになって。そして博多。出演者も少ないし初めての地方公演だし、全体的に気合の入り方が違ったんだけど、中でも一際輝いてたって思うのは贔屓目ですよね。でもわたしにとってはそう。2公演ある日も最初っから全開で全力で、ひとつも手を抜くことはなくて。その姿勢が見られてうれしかった。


2幕、去年に続いて演じた冨樫。やっぱりこれははやしくんにしかできない役ではやしくんの冨樫がすき。すごかったのは、去年あれだけ完成度が高かったこのお芝居をさらに高めてきたこと。はやしくんだけではなくて、弁慶義経の演技も変化していたからけっこう手直ししたんだろうけど、それにしても。表情の変化と間合いの取り方が絶妙で。正直ここまでできるって思ってなかった。わたしは冨樫がだいすきで、でもはやしくんからしたらどうなのかな、とは思ってて。この役をもらえるのは名誉なことだけど、人物像はある程度固まってしまっているからおもしろさは感じにくいんだろうなーとか。だから、始まる前はきっと今年も冨樫なんだろうけどそれでいいのかなーなんて思ってました。そしたらびっくりするくらいお芝居が変わっていて、変わっているのに安宅の関という場の空気を壊すことはなくて。凛とした空気、冨樫の正義、そして去年以上に強くなったのは冨樫の人情。まっすぐなだけじゃない、温かさもみえて。公演が進むにつれてそれが更に変化していったから、あぁはやしくんは本当に、この役に全力で向き合ってるんだなって感じたんです。それが誰の目にもはっきりわかるくらい努力して、表現していることが嬉しくて。見たかったのはその姿でした。


去年はどうだったかあまり記憶になくて、だからそんなにはっきりと見えなかったんだろうなって思っているんだけど。冨樫が義経に笠を返すとき、冨樫はとても悲しそうな苦しそうな顔をするのです。ご無事で、と旅の無事を願い、よき家来を持たれた!と感銘を受ける言葉を口にしながら、どこか切ないんです。もしかしたらそれは、義経たちのこれからの運命を感じてのことなのかな、と。未来を想像するからこその表情なのかなって思ったら、それははやしくんと重なって。わたしの勝手な想像だけどはやしくんはきっと過去よりも今を大事にするひとだし、今よりも未来のことを考えるひとなんじゃないかと思っていて。常に前を向いて進もうとするひと、だと思うんです。過去の義経のあれこれや頼朝との確執よりも、この先義経が進む道を案じて、それでも先に進むことを許す冨樫は、はやしくんが演じるからこそだなって。全部わたしの勝手な想像なので実際何を思っての演技なのかはわからないけどね。新橋で答え合わせができるかな。もっとわからなくなるのかもしれないけど、楽しみだな。




とまあいつもの如く思いおたく発揮しつつ通った博多座は本当に楽しかったです。劇場も公演も観光も食べ物もめいっぱい満喫した!食べたもの記録は別にまとめようと思っています。さてさて1週間後には新橋に帰ってくる歌舞伎一座、きっとさらに進化していくことでしょう。阿部くんも言っていたけれどこの美しい舞台がわたしも本当にだいすきです。桜散った東京にまた華を咲かせてください。まだまだ終わらない春、楽しみだなぁ。